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民意はどこに【2012/06/30】

消費税増税法案が、民主・自民・公明三党合意のうえ衆議院で可決されました。
「社会保障と税の一体改革」のうち社会保障は棚上げされまずは増税ということです。

消費税については以前ブログに書きましたが、私なりに調べ考えてみました。(堅い話ですいません)

消費税というと「逆進性」と言う言葉をよく聞きます。
所得税は累進課税により低所得者より高所得者にたくさん負担をしてもらっています。それは、税金は国家の運営のほかに所得の再分配という役割があるためです。資本主義社会で富裕層に属する人間(資本家・経営者)は、多かれ少なかれ労働者から搾取することで大金を得ており、労働者は経営者より弱い立場なので、国家が代わりに労働者への分配を多くすることで貧富の差を和らげる・・・これが税金の役割です。
しかし、消費税には累進性はありません。年金暮らしのお年寄りが野菜を買うとき、お金持ちの人が高級車を買うとき、一律に同じ税率がかかります。
「逆進性」を否定する人もいますが、お金に対する価値が違います。年金暮らしのお年寄りにとっては死活問題でもお金持ちにとってはさして影響はないでしょう。

経団連は、法人税減税や輸出戻し税の益税を目的に増税に賛成しています。
日本の法人税が他国に較べて高いとよく耳にしますが、法人所得税と法人住民税等を加えた合計税率は日本もアメリカも39%、G7などの先進国のなかではイタリアが27%と一番低いですが、30%超が多く大差はありません。法人税減税は、国際競争力を高めるということよりは経営者や大株主が得をすることになるのではないでしょうか。
輸出戻し税とは、輸出品には消費税が免税されますが、輸出企業は仕入れの際に消費税を支払っているため仕入れにかかった消費税を国から還付する制度です。仕入れ価格が100万円かかるとして消費税を含め105万円を下請け企業などに支払えば問題はありませんが、消費税分の5万円は、実は最初から下請け企業が自腹を切っている(輸出企業は100万円しか部品代を払っていない)というケースが少なくないと言われています。大企業と下請け企業では、力関係は言わずもがなですから、下手な事を言えば今後の取引を打ち切られてしまいますので、負担を押し付けられても文句は言えません。これが大企業の益税と呼ばれる理由です。ちなみに2007年、トヨタ自動車は3,219億円、SONYは1,587億円還付されました。

また、中小企業や個人事業主は、増税分を商品価格に転嫁できない可能性が高く利益を圧迫します。景気の低迷が続き仕事を確保するため不当廉価やダンピングが横行し、原価割れ覚悟で受託せざるを得ず赤字あるいはぎりぎりの経営の会社は、倒産あるいは廃業に追い込まれるでしょう。
当然、失業率は跳ね上がり犯罪も増え自殺者も増加することが考えられます。

長々と申し訳ありません。
最後に国民の声を無視し党利党略や保身のことしか頭にない政治家が多すぎます。