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アスベスト訴訟【2012/05/31】

今月は、金環日食や東京スカイツリー開業など国民的話題が多かったように思います。
テレビなどで大盛り上がりした金環日食を見逃した人(私も)は、6月6日の金星の日面通過など今年もまだ天文ショーがあるようです。
http://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/topics/html/topics2012_1.html


個人的には、毎年5月は関連する諸団体の定時総会、定期大会など多く忙しい月になります。
先日の22日も神奈川県土地家屋調査士会第73回定時総会が関内のロイヤルホールヨコハマで開催され出席しました。
同日、すぐ近くの横浜地方裁判所で建設アスベスト訴訟の判決がありました。


アスベスト(石綿)は発ガン性物質です。
肺に吸入されるアスベストや粉塵の大きさは10ミクロン以下、目に見えません。
本人が時には気づかずに吸入し、30~50年後に中皮腫(ちゅうひしゅ)・肺癌・じん肺という肺の病気が起こります。
1950~70年代造船、建築、その他の産業からの粉塵が、今被害を起こしつつあります。
また、未だに住宅用建材など身近でも使われています。
アスベストによる中皮腫で2000年からの40年間、日本で10万人死亡という予測がなされ「静かな時限爆弾」と呼ばれています。
せき・たん・動く時の息切れ・死の恐怖、病気の苦しみは本人と家族を襲います。

今回の裁判は、建設労働者がアスベスト被害を訴えた訴訟に初めて司法判断が下されるということで、同様な訴訟は東京、札幌など5地裁で争われており他の裁判にも影響を及ぼすであろうとメディアも注目していました。

判決は、国に違法は認められず、メーカーの共同不法行為も成立しないという原告の請求全面棄却となりました。
医学的知見が確立しないと対策を取らなくていいという横浜地裁の判断が、国民の健康を守る点から果たして妥当なのか疑問という大学教授の話もあります。
私の友人や仲間のなかにも建築作業に従事されている方がいます。
命の重みを考えたとき、不当判決であるという思いがこみ上げてきます。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120525/k10015372781000.html